アジアン仕入れ紀行

07'sインドシナ半島編・第1部

1.旅立ちの時
 全日本空輸・NH915便は定刻どおりバンコックの新たなる玄関港、スワンナプーム国際空港へ着陸した。
 インドシナ半島を縦断し買い付けを行うため、私は元旦の日本を出立し、この地へと降り立ったのだ。
 この街でゆっくりと時間を過ごす間も無く、次の日にはウボンラチャターニ(タイ東北部の終着駅)へと向かうため21時発のタイ国鉄EXP67へと乗り込む。車内では、食堂車で過ぎ去り行くバンコックの喧騒を眺めつつシンハービアーを飲み、生ぬるい空気の流れる外の闇へと目を流す。辺りは既に都市部を離れ、電灯の火も疎らにしか見えない。物寂しさの中、ビールも無くなり寝台へと戻る。心地よい揺れを感じながら、私は眠りへと落ちてゆくのだった。

2.国境の街・沈み行くメコンの夕日
 世界一、時刻に正確な鉄道は日本の鉄道である。この国において長距離列車というものは定刻に着かないものだと思って行動しなければならない。だが、車両は時刻表と同じ時間に東北部の終着、ウボンラチャターニ駅のプラットフォームへと滑り込んで行った。


※朝焼けに光るEXP67


※タイ東北部の終着駅

 早く着いてしまったものは仕方が無いので、ローカルバスに乗り大型ショッピングセンターBigCへ向かう。そこで遅い朝食の後、トゥクトゥクでバスターミナルへと移動する。バスターミナルでは運良く、国境の街・ムクダハン行きのVIPバスの発車時間が迫っていた。急いで切符を買い、乗り込む。このバスは、完全予約制だったと聞いていたのだが、途中の街道で何故か乗客を乗せている。運転手の小遣い稼ぎか、バスのシステムなのかは分からないが好い加減なこの国らしいなと思った。
 バスに揺られること、約3時間。14時30分、バスはムクダハンへと到着する。タイのバスターミナルは、概ね市の中心部から離れているので再び、トゥクトゥクへ乗りイミグレーションへ向かう。周囲では、貿易の拠点らしくタイ・ラオス・ベトナム・中国など各国の商品を扱ったマーケットが開催されている。一通り見学した後、対岸のラオス南部最大の商業都市と言われるサワンナケートへと向かうため、出国審査を受けた。


※タイ王国ムクダハンのイミグレーション

 出国審査も問題なく通過し、渡し舟へと乗り込む。河上では去り行く街と近づく街、身体を撫でる風が心地よい雰囲気を醸し出す。


※物資を満載するラオス船籍の輸送船

 数十分後、ラオス領内へと足を踏み入れるが、ここでトラブルが発生。


※ラオス人民民主共和国サワンナケートのイミグレーション

 私がアライバルビザの申請書に必要事項を記入している最中、いきなり入国審査官が現れパスポートを見せろと言い始める。何が起こったのか分からず、見せると「日本人はノービザだ」みたいなことを言った。
 後々、調べてみると第二友好橋の建設の際に多額のODAが流れた謝礼としてビザが免除された模様。何にせよ、30ドルが浮いて良かった。
 荷物が重いので、「中國廣東南海大酒店(ナンハイホテル)」でチェックイン。


※これでも、サワンナケート最大の建築物らしい・・・

 明日のベトナムへの移動の為、市中にあるというシンカフェツーリストのバス乗り場を探す。だが、地球の歩き方の地図が悪いのか、それとも単に道を間違えていただけなのか中々目的の建物が見つからず街中をうろつく。何とか、探し当て無事にチケットを取得。これに失敗してたら、ベトナムへ行けないところだったと肝を潰した。


※ラオス南部では最大の商業都市

 安堵した私は、メコン川の流れと対岸に光る明かりを肴にビア・ラオで乾杯。雄大なる流れと、アルコールの高揚感に心が洗われる。
 この光景に涙しながら、ラオスの夜は深けて行った。


※対岸、ムクダハンの輝きをつまみに一杯

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